2012年3月14日
レストアを開始したPeugeot PH10sですが、オリジナルの変速レバーがサンプレのステムマウントタイプで、最新のロードバイク同様アウター受けがダウンチューブに直付けされているため、普通のWレバーがうまく付きません。それにアウター受けを無視してWレバーをバンド止めするにしても、チューブ径が仏規格ではバンドが十分に固定できない懸念が残ります。
これはバーコンかぁ?と思いながら在庫部品を確認したところ、シマノの普及車用のインデックスタイプ・ハンドルマウントの変速レバーの買い置きを発見したので、これを使ってみることにしました。その結果、シマノの7速インデックス変速レバー→シマノHG7速コグ→シマノHG7速用フリーハブ→シマノHGチェーン→シマノEXAGE400後変速機→シマノEXAGE400前変速機と芋づる式にドライブトレーンが固まりました。いずれもだいぶ古くジャンク寸前のシマノの普及車用コンポですが、性能的には80年代の仏部品には負けないでしょう。チェーンホイールから自転車が生えた話は時々聞きますが、変速レバーから生えた自転車はあまり聞いたことがありませんね。
ところで、仏車とシマノは意外に相性がいい。LookやTimeはカンパよりもシマノの方が似合うと思うし、機内誌で見かけたAlexSingerもシマノを多用してました。個人主義の国だから、気に入っている理由があれば、タブーは存在しないのかもしれません。これが伊車だとそうはいかない。やっぱりDeRosaはカンパが絶対だし、Colnagoもハイエンドはカンパでしょう。Peugeotはそもそもマスプロ車だし、しかもPH10sはアメリカ仕様なので、なおさらシマノが自然です。
でも、くたびれたハイパーグライドのフリーコグを見ていると、こんなショボイ部品がその後のシマノの覇権を決定付けたのか、と不思議な気持ちになります。でも、それくらいハイパーグライドがエポックメイキングだったことも事実です。脱線させない脱線機というコンセプトと釣具のリールからヒントを得たらしいチェーンの巻き方の技術がもたらした変速の質は、明らかに過去の変速システムとは一線を画していました。初代XTRのファーストロットを触って「変速はシマノが一番」を確信したことが尾を引いているのでしょうか、ランドナー(XT-M730系)、グランドツアラー(Crane/Dura-Ace)、リジッドMTB(XTR-M900系)、フルサスMTB(XT-M738系)と、私のツーリング系の愛車はシマノべったりです。
ではなぜロードはシマノじゃないのかって?そりゃ、シマノで組んでたら、遅いことの言い訳ができませんからね。
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